【沖縄年中行事】沖縄の特別な日

沖縄にとって特別な日

沖縄の行事とイベント

世の中には様々な記念日があります。国であれば建国記念日や終戦記念日。身近なところでは誕生日や成人式に結婚式。節目やターニングポイントとなる日というものが存在します。

沖縄にとってもそれは同じ。戦争にまつわるもの、歴史にまつわるもの、沖縄にとっての記念日やターニングポイントについて見ていくことにします。

旧正月(旧暦 1月1日)

沖縄では旧暦で行う行事が多く、旧暦の正月もそのひとつ。

県外からの移住者が多い地域を中心に旧正月の存在が薄れてきている地域もありますが、代々その土地に住む人々にとっては毎年行われる大切な行事なのです。

旧暦だからと言って特に変わったことをするでもなく、仏壇にお供え物をしたり親戚一同集まって会食を開いたり。地域によっては舟に旗をなびかせ祈願が行われることもあり、その土地に根ざした方法で正月を迎えます。

シーミー(旧暦3月頃から)

毎年4月から5月にかけて親戚一同集まりご先祖様のお墓参りを行うシーミー。清明祭と書かれたりもしますが、実際に沖縄で生活していて漢字で書かれると違和感があるのでシーミーと表現しています。

沖縄でも様々な宗教がありますが日本同様、いわゆる無神論者が多い場所です。しかし先祖崇拝の精神は比較的強く残っており、ご先祖に関わる行事は大事にされてきました

一門のお骨が眠っている門中墓などを回りご挨拶をして、作ってきたご馳走を振舞います。最後にはそのまま『ウサンデー』し、みんなでそのご馳走を頂くのです。

その光景が県外から来た人には「お墓でピクニックをしている」ように見えたことから、沖縄はお墓で凄いことをしている!と一時期話題にもなりました。

沖縄が”日本”へ変わった日(5月15日)

1972年5月15日、沖縄はアメリカ統治が終わり日本へと編入されました。それに伴い琉球政府は沖縄県庁に変わり多くの設備が日本化。当時使用されていた通貨B円も日本円へと換金されました。

日本に編入され、パスポートなく日本と往来することが出来るようになったわけです。

様々な問題を抱えての編入でしたが、最大の課題とされたのが米軍基地との関係でした。

当時アメリカ軍の関係者が起こした事件事故は琉球では裁くことが出来ず、公務中を理由に無罪となる事態が多発。次第に不満をため込んだ県民が爆発し、かの有名なコザ暴動へ発展。

これが決め手となり、これ以上アメリカによる統治は難しいと判断され日本への編入へと話が進みます。しかし当時の県民の希望は編入と共に米軍基地の撤去の声が大きく、編入後も米軍基地の存在やなおも続く事件事故と本国帰還という壁が立ちはだかり、アメリカと日本両方への不満を募らせた人々からは落胆の声が相次ぐこととなります。

慰霊の日(6月23日)

沖縄では祝日に指定されている慰霊の日。糸満市の平和祈念公園はじめ県内各地で式典が行われ、戦没者への追悼の雰囲気に包まれる1日です。

沖縄戦は1945年3月に始まり本島を中心に鮮烈な戦いとなりました。激しい空襲に地形が変わるほどの艦砲射撃、島を分断した地上戦が繰り広げられ、地上戦での戦死者は20万人超、そのうち半数が民間人と言われています。

そんな沖縄戦の”組織的戦いが終わった”とされるのが6月23日。当時の牛島司令官の自決により組織としての戦争が終わり、終戦の日とされているのです。

旧盆(旧暦7月13日~15日)

新暦で行われる日本のお盆と違い、沖縄では今なお旧暦で行われるお盆が一般的。もちろんお盆休みも旧暦に合わせてとる会社がほとんど。仏壇にお供え物をしたり、親戚一同顔を合わせたり、日本のお盆と大きく変わることは無いと思います。

初日は「ウンケー」と呼び、玄関先にろうそくを置いてお迎えしたりしますよね。最終日旧暦7月15日は「ウークイ」と呼ばれ、ウチカビを燃やしてお金を持たせて再びあの世へとお見送りします。

ウチカビの価値については諸説あり、あの世では1枚当たり数千万円の価値があると言われたりもします。インフレが起きていそうですよね。

旧盆のもう一つの楽しみと言えばミチジュネー。地元青年会の人がエイサーの隊列を作って町内を練り歩きます。本来エイサーとはお盆に先祖供養のために踊るという、芸能でもなんでもなく文化なのです。

ナナサンマル(7月30日)

終戦後アメリカ統治下となったおきなわは交通ルールも右側通行となりました。車の普及も進んだ頃、日本へと編入されることになります。ジュネーブ道路交通条約の「1国1交通制度」を順守する為に沖縄も日本の交通規則に則り、大規模な交通規則の変更を行いました。

それが1978年7月30日に一晩で全てを一気に変えてしまうという大イベント「730(ナナサンマル)」により、一晩でおきなわは日本と同じ左側通行と変わったのです。

因みに、その後事故が急増したことは言うまでもなく、渋滞により那覇市内線のバスが戻ってくるまで3時間かかったという逸話もあります。

那覇大綱挽き祭り(10月第2月曜日)

毎年10月の第2月曜日、体育の日の連休に開催される那覇大綱挽祭り。

世界最大の綱引きとしても知られ、この綱引だけで国内外から30万人近い人が訪れるという那覇市最大のイベントです。

毎年新しい綱を作り、勝負がついた後は各々が綱を切り取って持ち帰り自宅で飾ります。これを持っていれば1年間無病息災、健康でいられるという言い伝えがあるのです。

さらに別会場ではカラオケ大会やビアフェスタが開催されるなど、市街地一体でお祭りムード一色になるのが那覇の体育の日なのです。

トゥンジージューシー(旧暦11月1日)

トゥンジーは冬至、ジューシーはあの有名な炊き込みご飯ですね。

冬至の日にヒヌカンや仏壇にジューシーを備え、家族の健康や子孫繁栄を願う習慣があります。旧暦11月ですから新暦では12月頃。気温も下がり始め寒さを感じるようになる頃。みんなで栄養ある温かいご飯を食べて冬を迎えようという気持ちも込められた秋の味覚ですね。

大晦日(12月31日)

なんてことない年の瀬12月31日ですが、ここも沖縄らしさがあるのです。

年の瀬には年越しそばを食べるところも多いと思いますが、沖縄では沖縄そばやソーキそばを食するところも多いのです。我が家も小さいころから年越しは平面の沖縄そば。

『沖縄そばの麺のように太く長生き出来ますように』そんな想いを込めて1年の締めにはコレ。

年末の大掃除が終わった頃、圧力鍋でソーキから出汁をとって味付けをしていた様子が今でも思い浮かびます。

沖縄にまつわる特別な日

いかがでしょうか。沖縄に纏わる特別な日についてまとめてみました。全国的に知られていることも多いと思いますが、おきなわに住んでいて日常的に行われる、意識されることをあげてみました。

もちろん、地域や個人によって様々な違いはあるので一概には言えませんが、今回記載したイベントはある程度一般的になっている部分だと思います。

この記事で少しでも沖縄の核の部分について理解していただけると幸いです!