泡盛の貯蔵方法について

【泡盛】3種類の貯蔵方法
沖縄の泡盛にはいくつかの貯蔵方法があります。
酒造所で作られた出来立ての泡盛は非常に刺激が強く飲みづらいため、一般酒(新酒)であっても数か月から1年程度寝かせることで風味を落ち着かせます。
また、さらに長く熟成させると古酒と呼ばれるようになり、まろやかさやコク深さに大きな影響を与えます。
現在では主に3つの貯蔵方法が用いられており、お酒の性格を大きく変える大事な要素。
ここでは、貯蔵方法による泡盛の違いを見ていきたいと思います。
――― この記事の内容 ――― ●伝統的な「甕貯蔵」
●主流の「タンク貯蔵」
●近年増える「樽貯蔵」
●泡盛・古酒とは
●伝統的な「甕貯蔵」
●主流の「タンク貯蔵」
●近年増える「樽貯蔵」
●泡盛・古酒とは
伝統的な「甕貯蔵」

泡盛らしいまろやかでコク深い風味が特徴
甕といえば The 泡盛という感じもしますが、まさにその通り。
甕を使った貯蔵・熟成では甕そのものに含まれる土由来のミネラルや空気が溶け出し、泡盛と混ざり合うことでより濃厚で重厚感のある風味を生み出します。
また、熟成が進みやすいという点も大きなメリットとしてあげられ、同じ年数を寝かせたお酒でも甕で熟成させることで、よりまろやかさを感じることが出来ます。
甕熟成泡盛が「まろやかなのに味がしっかりしている」と言われるのは、こういった理由があげられます。
手間やコストがかかる一面も
一方で泡盛の甕熟成にはとても手間がかかることから、製造本数が限られ価格が上がりやすい一面があります。
定期的に撹拌・仕次ぎを行って品質を保つ必要があり、管理が難しく甕貯蔵を行う酒造所さんは多くありません。
市販されている1升甕なども同様で、自宅で定期的に撹拌させたり、アルコール度数を保つように手入れが必要です。
主流の「タンク貯蔵」

クセの少ない真っ直ぐな風味
最も一般的な方法が、ステンレスタンクを用いた貯蔵。
一番のメリットは他の貯蔵方法に比べて管理がしやすいこと。そして外部の環境の影響を比較的受けにくいので、風味に与える影響を極力抑え、すっきりした素直な味わいに育ちやすい特徴があります。
管理の手間が少ない分、価格を抑えることが出来るのもタンク貯蔵のメリットですね。
デメリットというと大げさですが、他の貯蔵方法に比べ熟成には時間がかかることが多いこと。
どうしても外部との接触を遮断しているので仕方のないことではありますが、これが管理を楽にしている要因でもあると考えると、一長一短、トレードオフの関係といった感じですね。
近年増える「樽貯蔵」

洋酒の様な華やかな風味が特徴
近年増えているのが樽を使った貯蔵方法。
泡盛に樽の香りがうつり洋酒の様な風味に育ち、琥珀色の綺麗な色合いに染まっていきます。
樽を使った貯蔵は古くから行われていましたが、近年はそのバリエーションも豊富になっています。単に寝かせるだけではなく、熟成させたアルコールを原酒としたリキュールも販売されています。
ただ、ここで気を付けないといけないのが色の付き具合。
実は泡盛は一定の色合いより濃くなると、酒税法の関係で泡盛として販売できなくなってしまいます。
それ故、色の濃い泡盛は何らかの方法で薄めたり、リキュールとしてに販売する方法をとることになります。
最近では敢えて色を薄めずに、リキュールとして加工・販売するメーカーも増えてきました。
泡盛・古酒とは

3年以上熟成させた泡盛のこと
古酒(こしゅ・くーす)という言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。
泡盛では3年以上熟成させたものを古酒と呼び、3年未満のものを一般酒・新酒と呼んで区別しています。
かつては100%古酒を「○○年古酒」と年数を表示し、古酒と一般酒のブレンドを「古酒」と年数のない表示をしていた時期もありました。
しかし長期熟成酒をわずかにブレンドした泡盛を、長期熟成古酒のように表記するような実態も起きていたため、2015年に3年以上熟成させた泡盛100%だけを古酒と表示できるように公正競争規約が改正されました。
銘柄によっては、樽熟成古酒とタンク熟成古酒のブレンド、なんていう泡盛もあります。
泡盛選びの基準に

貯蔵方法はひとつのめやす
古酒や銘柄を基準に泡盛選びをする方は多いと思いますが、やっぱり飲んでみないと実際には味のわからない銘柄も多くあります。
そんなときは貯蔵方法・熟成方法を見てみてください。
もちろん原材料、製造方法によっても全く異なる風味になるわけですが、貯蔵方法を知るだけで大まかなテイストを想像することが出来るので、ひとつの目安として購入の際に確認してみてください。
皆様の泡盛ライフに少しばかりの豊かさをお伝えできれば幸いです。
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