産地によって味が違う!『沖縄の黒糖』まとめ!

特産品、黒糖。

産地によって異なる風味なのです。

特産品黒糖

沖縄の特産品として知られる黒糖。サトウキビを原料に県内各地で生産され、健康食品としても注目を集めています。

各メディアでもよく取り上げられ、日本全国に沖縄の黒糖ブランドが認知されてきました。

日本で初めて黒糖の製造が始まったのは約400年前の沖縄、当時の琉球と言われており、琉球芋(さつまいも)の栽培を日本に広めたことでも知られる儀間真常氏によるものです。

当時はサトウキビを食べ物の代わりとして栽培していただけで、うまく活用出来ていませんでした。

また、薩摩への年貢によって苦しむ住民の生活を豊かにする方法を模索している時代でもありました。

そこで始まったのが黒糖作り。中国から技術を導入して沖縄での黒糖作りが始まり、次第に日本へと広がっていきました。当時は外貨を稼ぐ重要な輸出品としても重宝されていました。

今回は沖縄各地で生産される黒糖、上白糖との違い等をまとめています。是非ご覧ください。

黒糖とは? 白砂糖との違い。

黒糖とは?白砂糖との違い。

黒糖はサトウキビを原料に、搾り汁をそのまま煮詰めることで製造します。

つまり、サトウキビそのままの味・栄養素をギューッと凝縮したもの。黒糖に栄養があり濃厚な風味がある理由もそこにありあす。

製造過程で蜜をそのまま含んだ状態で精製するので、含蜜糖とも呼ばれます。

一方、普段利用される白い砂糖は、サトウキビの搾り汁から色素やミネラルを取り除くことで製造されたもの。

それによって栄養素は少ないものの様々な料理やお菓子に使いやすい、クセの少ない甘さに仕上がるのです。

こちらは製造過程で蜜を分離することから、分蜜糖とも呼ばれています。

含蜜糖

サトウキビの搾り汁の蜜やミネラルを、分離することなくそのまま凝縮させたもの。栄養を豊富に含んでいます。

黒糖や加工黒糖など、コクのある甘い仕上がりになるのが特徴。個体差によって、苦みや酸味を感じるものもあります。

分蜜糖

サトウキビの搾り汁から色素やミネラルなど、様々な成分を分離して生成したもの。上白糖、グラニュー糖、三温糖などがこれにあたり、クセの少ない甘みが特徴

一般的に使用される、白い砂糖をイメージするとわかりやすいと思います。

成分の違い

上白糖(分蜜糖)黒糖(含蜜糖)
エネルギーkcal384356
タンパク質g00.7
脂質g0Tr
炭水化物g99.390.3
ナトリウムmg127
カリウムmg21100
カルシウムmg1240
マグネシウムmgTr31
mgTr4.7
亜鉛mg00.5

※100gあたり

以上の成分表からも、黒糖(含蜜糖)と上白糖(分蜜糖)の違いがお分かりいただけると思います。

どちらも用途によって使い分けると良いと思いますが、今回は黒糖を使うメリットについて見ていきたいと思います。

黒糖は体にも良い!

黒糖は体にも良い

先にお話しした通り、黒糖には多くの栄養が含まれており、黒糖を使うことで色々なメリットもあります。

筆者は糖分が不足すると手が震えたりすることがあるので(きっと同じ症状が出る人いるはず!)、エネルギー効率の良い黒糖を1粒、2粒口に入れることがあります。

サッと溶けていくので、気分転換にも良いんですよ!

と、いう訳で黒糖の良い効果をまとめます。

むくみの改善・血圧抑制【カリウム】

黒糖にはカリウムが多く含まれています。細胞内の浸透圧を調整する役割があり、生命維持には欠かせない栄養素なのです。

また神経の伝達や筋肉の収縮にも関わっているほか、取り過ぎた塩分の排出作用があるため、塩分の摂りすぎを防いだり血圧を下げる効果が見られます。

丈夫な体づくり【カルシウム】

カルシウムは骨や歯を造る主成分。不足すると骨粗鬆症の原因にもなります。

それ以外にも神経の興奮を抑える作用があり、「カルシウムが不足するとイライラする」というのはここから来たお話なのですね。血液を整える作用もあり、見た目だけではなく体の内面にも作用していきます。

効率良いエネルギー源

黒糖は消化酵素によって素早くブドウ糖に分解されます。ブドウ糖は脳のエネルギーになる成分です。

黒糖にはブドウ糖をエネルギーに変えるのに必要なミネラルが多く含まれていて、黒糖を口にしてから栄養として脳へ届くまでに短時間しか要さないので、仕事や勉強をしているときのおやつに最適なのです。

黒糖が出来るまで

サトウキビの収穫

沖縄県内で作られる黒糖は各地のサトウキビの収穫から始まります。

サトウキビは気温が低下することで、成長が緩やかになり甘みが増すという特徴があります。そのため収穫は12月~3月に行われるのが毎年の流れ。

収穫されたサトウキビは劣化が早いため、刈り取ったキビはすぐに製糖工場へ運びます。

また、製糖工場で1日に捌ける量は決まっていますので、収穫はそれに合わせて計画的に行われています。

製造工程

製糖工場へ運び込まれたサトウキビは、まず加工しやすいように大きさを整えて圧搾機によってジュースを搾り取ります。

その後、残った繊維や細かい不純物を取り除きながら純度を高めていきます。

こうして結晶化させて黒糖として商品が完成。

因みに、圧搾時に残った搾りかすはボイラーの燃料として用いられるなど、極力ごみの発生しない工法をとっています。

産地による風味の違い

産地による風味の違い

県内各地で生産されている黒糖ですが、地域や生産された年によっても風味が変わってくるのです。

海の潮風の影響を強く受けて育ったサトウキビから作られる黒糖は、塩気や苦みが比較的強く出ていることが多く、あまり影響を受けずに優しい土地で育ったサトウキビから作られる黒糖は、その甘さが素直に表れていたりします。

苦みのある黒糖は料理の隠し味として魚料理や煮物との相性が良く、甘い黒糖はお菓子作りに使われることが多くあります。

また、製造方法・工程の差によっても風味は変わってくるようで、一口に黒糖と言っても様々な表情を見せてくれるのです。

似て非なるモノ

似て非なるモノ

これまでは純黒糖についてのお話でしたが、中にはちょっとややこしいものもあるのです。

消費者庁によると、サトウキビを絞ってそのままに詰めたいわゆる純黒糖の事を、「黒糖」または「黒砂糖」と表記しても良いとのこと。それ以外の表記については純黒糖とは呼べないものになります。

例えば、加工黒糖と表記のあるものは黒糖に白砂糖の原料や糖蜜で加工したもの。また、黒糖にミントやしょうがを加えたものもあり、これらも加工黒糖と表記されます。

そして、加工糖と表示されているもの。これに関しては粗糖や糖蜜などを混ぜ合わせたもので、黒糖は一切入っていません。

沖縄黒糖ブランド

沖縄黒糖ブランド

県内各地で生産されている黒糖ですが、その中でも特に盛んな8つの島の黒糖が地域団体商標として特許庁の登録を受けました。

それが『沖縄黒糖®』であり、伊平屋島、伊江島、粟国島、多良間島、小浜島、西表島、波照間島、与那国島の8つの島で生産された黒糖を総称したブランド。

8つの島で生産される黒糖の風味・食感はそれぞれ異なり、細かく化学分析まで行われているのです。

例えば苦みを感じやすい波照間島の黒糖は、煮物など料理に使うと相性が良く、甘みのある多良間島の黒糖はお菓子と相性が良い。また、そのまま食べるタイプだと濃厚な味わいの西表島の黒糖が食べやすいと言われたりします。

もちろん、個人によって感じ方も異なるので一般論ではありますが、それぞれの島で違う風味を感じることが出来るのが楽しいところ。

英語でなんて言う??

英語でなんて言う?

最後に、海外でも黒糖は人気があって、純黒糖かどうか気にされるお客さまも多くいらっしゃいます。

当然日本語では通じない為、その国々にあった表現でお伝えするわけですが、一般的に黒糖は「Brown Sugar」と訳されます。

ただ、Brown Sugar としたとき、黒糖と訳されることもあれば、三温糖のような分蜜糖を含めた色のついた砂糖として認識されることもあるそう。

ではどうすれば?

と調べていくと、厳密に純黒糖を表現するには Muscovado という単語が最も一致するとのこと。ただ一般的な使い方でも無いようで、第2の表現として Raw Sugar と訳する方法があるようです。Rawというと“生”という意味がありますが、他にも“精製していない”、“原料のままの”という意味があり、純黒糖の意を正確に伝えるにはこちらの方が向いているのではないかという説。

英語圏の表現に詳しくないので何とも言えないところですが、Brown だと正確に伝わらない場合があるようです。

黒糖を使った商品の案内

以上、黒糖についてまとめました。

※当サイト調べによる情報です。