おきなわ・エイサー
okinawamovie さんのYouTubeチャンネルより
沖縄のお盆で先祖供養のために踊られるのがエイサー。特に旧暦7月15日の旧盆最終日、ウークイの日には各地の青年会を中心にミチジュネーが行われ、そこに住む人々が至る所から顔を出します。
遠くから三線と大太鼓の音が聞こえ始めると、子どもたちが島ぞうりを履いて通りへ駆け出す、そんな光景も旧盆ならでは。
今では“伝統芸能”として大会が開かれるなど全国的に名の知られるエイサーですが、本来のエイサーと“芸能エイサー”は別物です。
今回はその伝統エイサーと創作エイサーの違いを含めて、沖縄のエイサーについてみていきます。
エイサーとは?
エイサーとは日本で言うところの盆踊りにあたるもの。
沖縄では旧暦に従って行事を行う風習があり、ご先祖をお迎えする旧暦の7月13日をウンケー、見送る旧暦7月15日をウークイと呼び、ウークイの日にご先祖様の供養とお見送りの為に踊られるのがエイサーなのです。
ウークイの日の夜になると、日頃から練習を重ねてきた青年会の方々が三線や太鼓を鳴らしながら、町中を練り歩きます。これをミチジュネーと言い、地元住民の旧盆の楽しみのひとつだったりもします。きっとご先祖様もどこかで見ているのでしょう。
ミチジュネーが終わると、親戚と酒を飲み交わしていた者たちも翌日の仕事に備えて家路につき始めます。
そんな地域と密接に繋がっているのが沖縄のエイサーなのです。
ご先祖様の供養とお見送りをするのが、本来のエイサーなのです。
エイサーの起源は?
エイサーの起源や歴史については、実ははっきりとわかっていないことも多いのですが、最も有力視されているのは西暦1600年頃、浄土宗の仏僧が念仏を唱えながら踊ったのが始まり。
その供養が次第に形を変えていき、三線や太鼓を使った踊りや唄が加わり、様々な衣装が使われるようになり今の形へと変化していったという説が一般的。
エイサーという名前についても、実は根拠がわかっていません。
起源ははっきりしていないけど、ご先祖様の供養というのは変わらない。
ミチジューネー・エイサー
@みちじゅねーの隊列
ミチジュネーでエイサーが踊られることは先にお話ししましたが、どういった内容で踊っているのでしょうか。基本的には一般に知られる隊列と似たような形だと思います。
大太鼓や旗頭を筆頭に、締太鼓・パーランクーが広がり、その周りに踊り手がいる。歌三線はトラックに乗って移動していたりすることもあります。
その他、真っ白な顔のチョンダラーが縦横無尽に動き回って場を盛り上げたりすることもありますね!
@みちじゅねー・スケジュール
沖縄のお盆は旧暦で行われることがほとんど。
2022年は8/10(水)~8/12(金)がこれに当たり、最終日の夜に道を練り歩く姿が見られそう。
もちろんコロナの影響次第ですが、今年こそはちゃんと見られるのではないかと期待しつつ、収束を祈っています。
2022年の沖縄のお盆は8/10(水)~8/12(金)
エイサーの定番曲
青年会によって曲目は変わってくるのですが、定番中の定番3曲をYouTubeよりお借りします。。
仲順流り
久高万寿主
唐船ドーイ
仲順巡りは初めの方で演奏されることが多い曲であり、エイサーと言えばこの曲と言われるくらい定番曲。
これも不明な点が多いのですが、一般的に両親を想う唄と言われることが多いです。
また、唐船ドーイは締めに踊られることが多く、テンポの良さと弾むリズムがまさにちむどんどんする楽曲です!
創作エイサー
旧盆で披露される伝統エイサー以外を創作エイサーと呼んでいます。
特に国際通りで演じられているものや、県外で行われる沖縄関係のイベントで演じられることもあり、沖縄県外の方にはなじみ深いのではないでしょうか。
最近ではpopsを取り入れた演技もあったりと新しい取り組みも行われていて、注目を集めています。
伝統は大切に
個人的には旧盆で披露されるエイサー以外はエイサーとは呼びません。
それは、そもそも別物だから。
ミチジュネーで踊る青年会の皆さんは笑顔ではなく真剣な表情で踊り、また、見物する住民の方々もどこか尊敬の眼差しで見ているもの。
国際通りの100万人のエイサー踊り隊など、笑顔で人前で踊るのは100歩譲って飽くまで創作エイサー。
この違い、是非分かってもらいたいな(*^^*)