沖縄最大のイベント『那覇大綱挽』

那覇大綱挽

ギネスに登録、世界最大級の綱挽。

那覇の3大イベントのひとつ

沖縄最大のイベントとも言われる『那覇大綱挽』。

この日は沖縄最大の幹線道路 国道58号線、それも経済の中心地である久茂地交差点を閉鎖してまで開催されるビックイベントです。

地元沖縄の人だけではなく、県外・国外からも多くの方が訪れるなど賑やかな一日となり、その規模はテレビ中継が行われるほど。

沖縄を代表するお祭りとしての側面も強く、近くの県営奥武山公園では出店や屋台が立ち並び、会場ではオリオンビアフェスタが開催され、夜には打ち上げ花火を楽しむことが出来るのも大きな魅力。

那覇大綱挽祭りは毎年10月のスポーツの日を含む連休に開催され、旗頭やパレード、RBC市民フェスティバルなど、様々なイベントが同時に開催されます。

今回は那覇大綱挽について、まとめて紹介していきます!

那覇大綱挽【概要】

那覇大綱挽について

那覇大綱挽祭りはスポーツの日を含む10月の連休中に開催されます。

その最大の目玉は『那覇大綱挽』。ギネスにも認定された大綱挽は国内外から沢山の人が集まるほどで、大きく盛り上がる一日となります。

まずは、那覇大綱挽の規模を数字で見ていきます。

綱の大きさ

那覇大綱挽に使用される大綱は、全長200m・総重量40トン・直径1m56cmと世界最大級の綱です。

大綱は男綱と女綱の二手に分かれていて、それを頭貫棒(かぬちぼう)と呼ばれる直径43cm、長さ365cm、重量365kgの棒によって結合します。

これを東西に分かれて、280本ある手綱を挽き合って勝負を決するもので、

1995年には「米藁で製作された世界一の綱」としてギネス記録に認定され、その後も規模を大きく更新してきました。

参加人数

国内外から多くの方が参加するとお話ししましたが、1997年の第27回那覇大綱挽では1万5,000人の挽き手に、観衆27万5,000人の参加が確認され、その規模もギネス記録に認定されました。

実際に挽き手に加わると身動きも取れないくらいの人が集まり、普段多くの車が行き交う久茂地交差点も人で埋め尽くされます。

また周辺道路だけではなく、普段閉じているビルの窓から応援する人の姿も見られるのはこの日ならではですね。

開催地・久茂地交差点

那覇大綱挽が行われるのは、沖縄県内でも経済の中心地・久茂地の交差点。

沖縄一の大通り国道58号線を通行止めにして、この日だけは人で溢れかえります。

実は久茂地交差点付近の中央分離帯は取り外せるようになっていて、大綱が横たわるその日だけはこの分離帯が撤去されるのです。

そして当日、陽が昇る前から作業が行われ、全長200mにも及ぶ綱が用意されます。

綱の製作と保存場所

那覇軍港

那覇大綱挽きの綱について

現在使われている綱は、基本的に前年使用したものを再度整理して再利用しています。

大綱挽に用いる綱を作る作業を綱打ちと呼びますが、この綱打ちの作業が始まるが毎年8月中旬ごろ。

それから約1か月半かけて綱を完成させていきます。

綱打ちの工程

綱打ちの初めの作業は本綱と呼ばれる、男綱と女綱の大元になる綱作りから。

本綱の製作では、細い手綱サイズの綱(芯綱)を何重にも重ね束ねるところから始まります。この芯綱1本だけでもかなりの重量になることから、重機を用いた慎重な作業が行われます。

本綱を綺麗に束ねた後、化粧綱と呼ばれる綱で本綱の外側を覆い、同時に実際に人の手で握る手綱を結んでいきます。

製作場所について

かつて1971年に那覇大綱挽が復活した際には、糸満の綱引で使い終わったものを購入し、そこに手を加えて使用していました。

次第に経済的な理由からやんばる国頭村で作られるようになりますが、管理や那覇への運搬に労力を要することから那覇市内で製作するようになりました。

現在は祭り会場の奥武山公園近く、米軍那覇軍港内で綱打ち・製作・管理を行っており、20年以上この場所で綱打ちが行われています。

現在の那覇大綱挽は米軍の協力あってのものと言えます。

綱挽の準備作業

現場の準備は当日未明から

綱の設置は交通量の少ない当日未明に始まります。

その間に地面を均して舞台を整え、交通の妨げにならないように綱を設置していきます。

作業が終わるころには空も明るくなっていて、毎度ながら神経を使いつつ速やかに作業をこなす職人さんたちには頭が下がる思いです。

時系列に沿って、作業の流れを見てみます。

AM1:00(中央分離帯の撤去)

国内でもかなり珍しい着脱式の中央分離帯。

大綱を設置する前に、一つひとつのブロックを取り外していきます。

AM2:00(中央分離帯を埋める)

取り外した中央分離帯を埋めるように、隙間なく鉄板を敷き詰めていきます。

そして丁寧に溶接を行い、安全に綱挽が実施出来るように地面を均します。

ここで綱挽を安全に行う土台が完成

AM4:00(綱を降ろす)

中央分離帯の撤去が終わり土台が完成するといよいよ大綱の登場。

那覇軍港からトラック2台で男綱と女綱が運ばれ、東西に分かれクレーンで吊り上げてゆっくりと設置していきます。

多くの方が「龍が動いているように見える」と形容する大綱の設置作業。

壮大さを感じることが出来る、特別な瞬間でした。

AM5:30(微調整を行う)

完全に設置する前に、位置や角度を調整している様子も見られました。

大綱挽のスムーズな進行と、それまでの道路の安全を守るためにも大事な作業なんですね。

勝敗を決する方法

勝敗を決する方法

那覇大綱挽では、男綱と女綱をつなぐ中央の頭貫棒が5m動いた時点で勝敗が決します

しかし、その規模が大きく勝敗が決するまでには時間がかかるため、30分という制限時間が設けられています。

制限時間内に頭貫棒が5m動かなかった場合、中央点から3m以上頭貫棒が動いていれば判定勝ち。中央点から3mも動いていない場合は引き分けとなります。

過去の戦績を振り返ると、東16勝、西14勝、引分16となっていて、かなり拮抗していることがわかります。

那覇大綱挽【歴史・経緯】

那覇大綱挽【歴史・経緯】

那覇大綱挽が始まったのは1450年頃と言われています。

当時、港町として栄えていた那覇4村、西村・東村・若狭町村・泉崎村を中心に、国家平穏と海上安全を祈り、お祭りとして成立してきたと言われています。

かつては勝負結果で喧嘩が起きるほど熱中したイベントだったようですが、1900年代に入りその文化もしだいに途絶えてしまいました。

しかし戦後1971年、那覇市市制50周年記念事業として復活。平和を祈念する想いも込めて、那覇市が大規模な空襲を受けた10月10日の日に合わせて開催が決まり、再び那覇大綱挽の歴史が動き出します。

それ以降は年々規模も大きくなり、現在のような世界的なイベントへと成長してきました。

2019年、事件が起きる。

2019年、事件が起きる。

2019年、第49回の那覇大綱挽では開始5分で綱が切れたため引分、というアクシデントが発生しました。

史上初の出来事で当時は大きなニュースになりました。

同時に不吉との噂が広がったのを覚えています。

実際に2019年10月13日の那覇大綱挽以降、2019年10月31日の首里城火災や2020年から起きるコロナ禍など、あまり良いことが無いのも事実です。

那覇大綱挽き再開!

那覇大綱挽き再開!

2022年8月17日。城間那覇市長より「第52回那覇大綱挽祭りについて開催する方向で調整中」とコメントがありました。

2年連続で中止になったことにより担い手育成や、伝統文化の保存・継承に困難な状況が出ていることも理由に挙げていました。

当日は多くの人で賑わい、綱挽だけでなく久しぶりのお祭りの雰囲気にみんなが楽しんでいる雰囲気が感じられました!

2022年は参加人数を制限して開催

2022年は感染症の状況を見ながらという条件付きの開催となりました。

第52回那覇大綱挽については事前登録制となり、3,200人という上限が設けられて開催。

しかし、この大会でも開始直前の準備の際に西側の綱が切れてしまい、綱挽が行われないまま引分という形になりました。

最後は綱を持って帰る!

最後は綱を持って帰る!

勝敗が決し綱挽が終わると、手綱を切って持ち帰ることが出来ます。

持ち帰り飾ることで1年間健康で幸せに暮らせる、という言い伝えがあるのです。

綱は丈夫なので切るのは大変なのですが、是非参加した記念にお持ち帰りください。

因みに、持って帰って来年は大丈夫?と思うかもしれませんが、先に述べた通り那覇大綱挽に使う綱は毎年製作しています。

ニュースでもその状況が報道されることもあり、地元では準備段階から注目して見ているものなのです。

市民フェスティバル

那覇大綱挽祭りでのもう一つの楽しみが、市民フェスティバル!

奥武山公園を会場に出店に屋台が並び、オリオンビアフェスタも開催されます。

更にステージでは有名アーティストのライブや、テレビで放送されるカラオケ大会も開催され、まさにお祭り騒ぎ状態。

かつては遅い時間まで開催されていましたが、未成年者の徘徊が問題になったことから今では20時まで。

打ち上げ花火の時間も早められてしまい、若干風情を感じ辛くなった一面も。。。

2022年は大きなイベントは開催されない模様ですが、コロナ禍が落ち着いた暁には再び賑やかなお祭りが帰ってくるでしょう!

以上ギネス認定、那覇大綱挽きについてまとめました。

※この情報は当サイト調べによるものです。

沖縄最大のイベント『那覇大綱挽』」への2件のフィードバック

  1. 県民にとって嬉しいニュースですね。人間と比べると綱の大きさが良くわかります。
    弾き手が5分の1位の人数で開催されるんですね。大綱のどのように動くか楽しみ。
    個人的には微動だにせず、どっしりと構えた大綱に一票です。

    1. >匿名さん
      どっしり構えた大綱、良いですね~~

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