ある日の沖縄県議会。議員は特別なのか?県民なのか?

県議会議員は一般県民か否か

議員は一般人ではない?

2016年7月7日.

沖縄県議会の一般質問で、ある議員から次のような質問が出ました。

「県議会等このなかで私たちは一般大衆なのか」

前後の文脈から、「私たち県議会議員は、県民と同じ一般大衆なのか」という質問。

これは沖縄・自民党会派の県議会議員、又吉清義さんの発言で、たまたま機会がありリアルタイムで見ていたものです。

今回、改めて当時の議事録を確認することが出来たので、その中身を見ていきたいと思います。

翁長知事のウチナーグチへの想い

きっかけは方言離れ

翁長知事(当時)の会見や議会答弁は、「ハイサイグスーヨー、チューウガナビラ(皆さんこんにちは。ご機嫌いかがですか。)」の挨拶から始まります。

これは沖縄の方言(ウチナーグチ)が使われなくなってきていることに危機感を持つとともに、ウチナーグチに馴染む機会を作ろうと始まったもので、翁長氏の那覇市長時代から続くものです。

あまり堅苦しく継承という意味合いよりも、少しでも接点を作ろうという試み。

合否には関わりませんが、那覇市職員採用試験の面接のときにも、ウチナーグチで自己紹介する時間が設けられています。

一般質問、当時の流れ。

問題の場面について

この日も例によって翁長知事は挨拶をするわけですが、又吉議員は一般質問の場で「ハイサイ、グスーヨー。」は具体的にどういう意味か。間違えて使用した例はないか。

という問いかけを行います。

これに翁長知事は、「皆さま、こんにちは。」という意味を込めていて、県内各地で伝わる言葉がある事から、時々に応じて使い分けているという答弁を行います。

この後に出た発言が、冒頭の「私たちは一般大衆なのか」、「知事の目線から見て私たちは一般大衆にしか見えないのか」、「非常に疑問である」という言葉でした。

そしてこの質問の最後に、

「子供が先生に目上に対して、おい、おまえ、とか言ったら皆さん納得しますか」、「方言の使い方がこれでいいのかという疑問を持っている」

と締めています。

それぞれの意図とは

それぞれの考え方

初めに聞いた時は、議員は一般市民なのか?という発言に衝撃を受けて、とても強く印象に残っています。

今回、改めて議事録を見返して感じたことは、

翁長知事は少しでもウチナーグチに親しみを感じてもらいたい。

一方の又吉議員は、いつも同じ口調なので時と場合によって使い分ける必要はないのか?という意図もあったのかなと感じました。

最後に、当時のやりとりの一部を記載しておきますので、皆さまのご意見もお聞かせください。

一般質問内容

実際のやりとり(一部抜粋)

●又吉議員:

「①ハイサイ グスーヨー の意味は何を意味するのか具体的にお伺いします。」

「②各地域によって異なるウチナーグチ、正しいと思っているが間違えた事例について、県の対応はどのように取り組んでいるのか。」

○翁長知事:

「しまくとぅばの普及継承に当たっては、簡単な挨拶から実践する環境をつくっていく必要があると考えているため、奨励している」

「ハイサイ グスーヨー チューウガナビラ と言っておりますが、これは、皆様、こんにちはという意味を込めており、その時々に応じて、各地域のしまくとぅばを使用するように心がけております。」

●又吉議員:「もう一度伺います」

○翁長知事:

「ハイサイというのはハローとかアロハみたいなもの。」

「グスーヨーというのは、御、グですよね御。それからスーというのは大衆の衆。ヨーというのは様、皆様の様。」

「チューウガナビラというのは、チューというのは今日ですから、ウガナビラというのは御拝顔。」

「ですから、こんにちはみたいなことを言って、そして皆々様というような話をしてお顔を拝します。直訳するとそんなふうですけれども…」

●又吉議員:

「前々から気になることがありまして、このグスーヨーというのは一般大衆であることは、誰もが知っていることだと思います。」

「県議会等この中で私たちは一般大衆なのかと非常に気になるものですから、私たちは一般大衆ではないと、県民から負託をされて…公人ではないのかと。」

「そういった意味では言葉の使い分けというのはするべきではないかなと思います」

「知事の目線から見て私たちは一般大衆にしか見えないのか、県民から負託をされた議員として見るのか、非常に疑問に思う」

□文化観光スポーツ部長:

「しまくとぅばの普及継承に当たっては、簡単な挨拶から実践するのがまず重要ではないかと。」

「特に対象を大衆であるとか、そういった形で限定することなく、県民運動として進めるに当たってそういった挨拶から始めようと推奨している。」

●又吉議員:

「挨拶運動を否定はしていませんよ。場所と地域によって違いがあってもいいのではないかなと」

「子供が先生目上に対して、おい、おまえ、とか言ったら皆さん納得しますか」

「もっと工夫をし、方言の使い方がこれでいいのかというのを疑問を持っているから敢えて聞いているのです」

「もちろん県民ではありますよ。これでいいのかというのを前々から疑問に思っておりますので、ぜひ、検討のほどをお願いいたします。」

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以上、ある日の沖縄県議会での出来事についてまとめました。

※当サイト調べによる情報です。