沖縄県の不発弾対策事業
『おきなわの不発弾事情』でお話しした通り、おきなわでは毎日のように発見され日常生活に影響が出ています。
過去には幼稚園付近での爆発事故によって園児を含む死傷者が出るなど、事前調査を行わない施工は大変危険です。
沖縄県の消防防災年報(2019年度版)によると年間532件の処理が行われ、その総重量は21.3トンになるという。年々発見される不発弾は減少傾向にありますが、今なお毎日のように見つかっているという現実があります。
今回は沖縄県が行う不発弾対策事業のうち、直接県民とかかわりの深い二つの事業について紹介!
――― この記事の内容 ――― ●県の事業
●不発弾探査の方法
●広域探査発掘加速化事業
●住宅等開発磁気探査支援事業
●注意点!
●不発弾を見つけたら
●県の事業
●不発弾探査の方法
●広域探査発掘加速化事業
●住宅等開発磁気探査支援事業
●注意点!
●不発弾を見つけたら
県の事業
沖縄県では不発弾事故を未然に防ぐため、『沖縄県不発弾等対策安全基金条例』によって公共工事実施時の事前探査の義務化やデータベースの構築などが行われてきました。
不発弾処理にかかる経費の補助も行われるようになり、現在農地として使用されている土地の調査にかかる費用や、住宅やマンションの建築時に行われる磁気探査についても県による支援が行われています。
ここでは農地などを対象とした「広域探査発掘加速化事業」と「住宅等開発磁気探査支援事業」について見ていきます。
不発弾探査の方法
不発弾の探査には“磁気探査”と呼ばれる地中の金属反応を調べる方法で行います。理論値の算出によって杭を打つ深さと探査可能範囲を割り出し、4メートル程まで掘り進めていくことが多いようです。
特に異常が無ければそれで終わり。万が一金属反応があれば不発弾による反応かどうか更に探査を行い、最終的な確認作業を行います。
広域探査発掘加速化事業
概要
広域探査発掘加速化事業は、現在畑や農地として利用しているような土地で、面積が100m2を超える土地に対して県が業者と契約して行う事業です。
申請するには、探査を希望する土地の市町村窓口で申請書を提出します。あとは順番を待つだけ。申請から約半年後に測量などの“土地の調査”が入り、1年後に本格的な磁気探査が入ります。
期間については予算や埋没情報の有無などによって前後することがあり、地域によっては数年待ちのところもあるようです。
費用負担について
この事業において、原則申請者の負担はありません。ただし、申請の土地を磁気探査が行える状態にしておくことが前提で、樹木や所有物がある場合は撤去する必要があります。
実際に“土地調査”、“磁気探査”を行う事業者は県の入札によって決定し、県と契約した業者がそれぞれの業務を行います。
住宅等開発磁気探査支援事業
概要
住宅等開発磁気探査支援事業は、住宅の新築・建替やその他民間工事予定地で行う磁気探査にかかる費用を補助するものです。
申請するには建築予定地の市町村窓口で「申請予定票」を提出し、県の担当者や建築業者などと調整の上、関係書類を用意し“正式な申請書”を提出します。
申請予定票は飽くまで申請書を提出する前段階のもので、この時点ではまだ受理されているわけではありません。
申請が受理されてから2週間程度で交付決定の通知が届き、申請者ご自身と探査業者と契約を行い磁気探査が入ります。実際には建築業者が段取りをとってくれると思うので、施主さんは説明を受けて不明な点を確認していく流れになるかもしれません。
費用負担について
原則申請者の負担はありませんが、予算の範囲内での交付なので全額の補助にならないこともあります。
注意点!
どちらの事業も申請後、県から交付決定の通知が出る前に手を加えてしまうと、補助自体が取り消しになってしまうことがあります。しっかりと県の担当者と確認を取ったうえで土地を利用してください。
予算が限られている為、年度末にかけて事業が止まってしまうことや、年度末や年度初めには業者が決まっていないこともあるため、申請から交付決定までに時間を要する場合があります。
磁気探査の必要が出てきた際は早めに相談することをお勧めします!
不発弾を見つけたら
不発弾らしきモノを見つけた場合、近付かずに警察へ通報してください(海の場合は海上保安本部)。
過去には旅行者が飛行機に持ち込もうとした事件も起きていて、大変危険です。戦後70年以上が経過していますがまだ爆発します!
命を守るためにも不発弾探査、活用してください!