国が認めた、沖縄の伝統工芸品!

国が認定『伝統的工芸品』

伝統的工芸品とは??

日本では備前焼、江戸切子、輪島塗、南部鉄器など古くから伝わる工芸品が各地に存在しています。

その中でも国が認めた工芸品を『伝統的工芸品』として認め、その数は240品目※1にのぼります。

伝統的工芸品には法律に基づいて経済産業大臣が指定するもので、次のような要件が求められます。


1、主として日常生活の用に供されるものであること。

2、その製造過程の主要部分が手工業的であること。

3、伝統的な技術又は技法により製造されるものであること。

4、伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造されるものであること。

5、一定の地域において少なくない数の物がその製造を行い、又はその製造に従事しているものであること。


これらの条件をクリアして初めて、国に認められた工芸品としての箔が付くわけです。

※1:2022年11月16日現在

沖縄の伝統的工芸品事情

沖縄は全国3位!

伝統的工芸品は現在240品目が登録されており、ジャンルは織物・陶磁器・金工品・和紙・仏壇仏具etc…と様々。

登録数が最も多いのが東京都で18品目。2022年に3品目が追加され全国1位となりました。

江戸切子をはじめ、江戸木版画、江戸べっ甲など有名な工芸品が並びます。

2位には17品目の京都府。

西陣織、京扇子、京焼・京清水とこちらも全国的に有名な工芸品ばかり。

そして沖縄は全国3位の16品目が登録されています。

沖縄の伝統的工芸品リスト

沖縄県からは全16品目が登録されています。

その中でも最も古いものが1975年に指定・登録された久米島紬と宮古上布。逆に最も新しいのが2018年の三線。

この中からいくつかにスポットを当てて、沖縄の伝統的工芸品について見ていきたいと思います。

業種品目指定年月日
織物久米島紬1975年2月17日
織物宮古上布1975年2月17日
織物読谷山花織1976年6月2日
織物読谷ミンサー1976年6月2日
織物琉球絣1983年4月27日
織物首里織1983年4月27日
織物与那国織1987年4月18日
織物喜如嘉の芭蕉布1988年6月9日
業種品目指定年月日
織物八重山ミンサー1989年4月11日
織物八重山上布1989年4月11日
織物知花花織2012年7月25日
織物南風原花織2017年1月26日
染織品琉球びんがた1984年5月31日
陶磁器壺屋焼1976年6月2日
漆器琉球漆器1986年3月12日
その他工芸品三線2018年1月7日

ここまで見てお気付きの方もいるかもしれませんが、琉球ガラスは登録されていません

理由はいくつか言われていますが、一番有力なのが歴史の部分。

伝統的工芸品として認められるには「相応の期間使われてきた」と確認される必要があり、その期間はおよそ100年と言われています。

琉球ガラス自体には100年以上の歴史があると言われていますが、戦争の影響もあるのか当時使用されていた現物がなかなか出土してきません

その為に伝統的工芸品として認められないという現実があるようです。

織物

喜如嘉の芭蕉布

芭蕉布は大宜味村で続いてきたモノづくりで、バナナの仲間でもある糸芭蕉から採れる繊細な糸を使う織物。

薄くて軽くてやや硬い質感が特徴で、肌にまとわりつかない生地として知られています。

その特徴故、沖縄の高温多湿な環境では重宝されてきました。

琉球王朝時代には王族がその着物を身に付け、高級品として中国や日本へに献上品としても用いられました。

その後戦争によって途絶えかけた芭蕉布を再興したのが、人間国宝「平良敏子」さん。

伝統の継承と新しい挑戦を繰り返し、芭蕉布の名前を世界へと広めたのです。

八重山ミンサー

八重山で織られていたミンサーは、綿(ミン)の狭い帯(サー)が語源とも言われかつては女性から男性に贈る布だったと言われています。

八重山ミンサーのデザインにはそれぞれ意味があり、5つと4つの絣模様は「いつの世までも末永く幸せに」、帯の端は百足の足のように「足繁く通ってください」との気持ちが込められているのです。

通い婚の時代を反映した、文化とともに成立した工芸品なのですね。

首里織

首里織は名前からもわかるように、首里の王族、士族が来ていた格式高い着物で色・柄・模様とその多彩さが最大の特徴です。

花織、ロートン織といった織技法、首里絣と呼ばれるデザインなど、究極まで追及された様々な技法を駆使して作られる生地はまさに高貴な着物です。

染織品

琉球びんがた

14世紀~15世紀頃に成立したとされる琉球びんがたは、中国・インド等との交易から得られた技術を基に誕生しました。

びんがたの製作は型を作る所から。

模様を彩る型彫りを行い、顔料と天然染料の両方を使って色差しを行っていきます。

その後に細かいぼかしなどを入れ、最後に生地全体の色を作り上げていきます。

琉球びんがたには複数の種類があり、そのひとつが紅型。

琉球びんがたと音は同じですが、紅は色を表し、型は様々な模様のことを表していると言われています。

同じく藍や墨で染められた紅型を藍型(イェーガタ)、型紙を使用しないものを筒書きを呼んでいます。

漆器

琉球漆器

琉球漆器は14世紀頃中国から伝わったとされ、後に交易の際の献上品として力を入れて製作されたと考えられています。

また政治との結びつきとも強く、祭祀や儀式などでは食器や装飾品として使用されていました

琉球漆器には県木であるデイゴやシタマキ、センダンといった木材が使用されることが多く、用途によって使い分けられています。

その他の工芸品

三線

意外と最近登録されたのが三線ですが、琉球王朝時代にその原型が持ち込まれ宮廷楽器として発展

以降庶民へと広く普及し、現在では組踊・歌劇・民謡・近代音楽など様々な場面で使用されるようになりました。

以上、沖縄の伝統的工芸品についてまとめてみました。

※当サイト調べによる情報です。

国が認めた、沖縄の伝統工芸品!」への2件のフィードバック

  1. いろいろと沖縄の情報を発信してくれてありがとうございます。
    登録数が全国で3位はすごいですね。祖母が亡くなった後、祖母のタンスから芭蕉布の反物が出てきました。今は私の部屋に奥深く眠っていますよ。昔は日常的に使用されていたんでしょうね。今は高価で手にすることはなかなかできないのですが。長く継承されていくことを願います。

    1. >匿名さん
      ありがとうございます。芭蕉布は本当に高価なものですよね。
      大事に使ってください!!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です