『伝統的工芸品』とは?国が認めた沖縄の伝統工芸品たち!

国が認定した『伝統的工芸品』

伝統的工芸品とは??

日本各地には備前焼、江戸切子、輪島塗、南部鉄器など、古くから伝わる工芸品があります。

沖縄では琉球ガラス、やちむん、ミンサー織り、紅型などの工芸品が県内だけではなく、お土産としても人気が高く、多くの人の関心を集めています。

国は「伝統的工芸品」という制度を設け、技術継承・人材確保・販路拡大といった支援を行っていますが、この伝統的工芸品とは一般的に言う伝統工芸品とは違い、いくつかの要件があります。

伝統的工芸品は日本全国で243品目、沖縄県では16品目が登録(※2024年10月時点)。

今回は伝統工芸品との違いと、沖縄の伝統的工芸品について見ていきます。

伝統工芸品との違い

伝統的工芸品・びんがた

国が認める「伝統的工芸品」

伝統工芸品とは、一般的に「日常で使われてきた、手仕事で作るもの」を指すことが多く、織物、染織品、陶磁器、木工品、金工品、人形など各地に伝わる様々な工芸品がこれにあたります。

沖縄でも琉球ガラス、やちむん、紅型、芭蕉布、琉球漆器など多くの製品が手仕事によってつくられてきました。

その工芸品のなかでも、一定の要件を満たしたものを国は「伝統的工芸品」として認めています。

伝統的工芸品の5要件

伝統的工芸品として認められるには、次の5つの要件が求められます。


●主として日常生活の用に供されるもの

●その製法過程の主要部分が手工業的

●伝統的な技術又は技法により製造されるもの

●伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造されるもの

●一定の地域において少なくない数の者がその製造を行い、又はその製造に従事しているもの


沖縄の伝統的工芸品事情

©沖縄観光コンベンションビューロー

沖縄は全国3位!

伝統的工芸品は現在243品目が登録されており、ジャンルは織物・陶磁器・金工品・和紙・仏壇仏具etc…と様々。

登録数が最も多いのが東京都で江戸切子をはじめ、江戸木版画、江戸べっ甲など18種類の工芸品が並びます。

2番目に多いのが西陣織、京扇子、京焼・京清水など17品目が登録される京都府。

そして沖縄は全国で3番目に多い16品目が登録されています。

沖縄の伝統的工芸品リスト

沖縄県の伝統的工芸品は、16品目が登録されています。

その中でも最も古いものが1975年に指定・登録された久米島紬と宮古上布。最も新しいのが2018年の三線。

以下の表は、登録されている工芸品の一覧です。

この中からいくつかスポットを当てて、沖縄の伝統的工芸品について見ていきたいと思います。

業種品目指定年月日
織物久米島紬1975年2月17日
織物宮古上布1975年2月17日
織物読谷山花織1976年6月2日
織物読谷ミンサー1976年6月2日
陶磁器壺屋焼1976年6月2日
織物琉球絣1983年4月27日
織物首里織1983年4月27日
染織物琉球びんがた1984年5月31日
業種品目指定年月日
漆器琉球漆器1986年3月12日
織物与那国織1987年4月18日
織物喜如嘉の芭蕉布1988年6月9日
織物八重山ミンサー1989年4月11日
織物八重山上布1989年4月11日
織物知花花織2012年7月25日
織物南風原花織2017年1月26日
その他工芸品三線2018年1月7日

琉球ガラスは伝統的工芸品に該当しない

ここまで見てお気付きの方もいるかもしれませんが、琉球ガラスは登録されていません

理由はいくつか言われていますが、一番有力なのが歴史の部分。

伝統的工芸品として認められるには「相応の期間使われてきた」と確認される必要があり、その期間はおよそ100年と言われています。

琉球ガラス自体には100年以上の歴史があると言われていますが、戦争の影響もあり当時使用されていた現物がなかなか出土してきません

その為に伝統的工芸品として認められないという現実があるようです。

織物

喜如嘉の芭蕉布(きじょかのばしょうふ)

©沖縄観光コンベンションビューロー

芭蕉布は大宜味村で続いてきたモノづくりで、バナナの仲間でもある糸芭蕉から採れる繊細な糸を使う織物。

薄くて軽くてやや硬い質感が特徴で、肌にまとわりつかない生地として知られています。

その特徴ゆえ、沖縄の高温多湿な環境では重宝されてきました。

琉球王朝時代には王族がその着物を身に付け、高級品として中国や日本への献上品としても用いられました。

その後戦争によって途絶えかけた芭蕉布を再興したのが、人間国宝「平良敏子」さん。

伝統の継承と新しい挑戦を繰り返し、芭蕉布の名前が世界へと広まりました。

八重山ミンサー(やえやまみんさー)

八重山ミンサー

八重山で織られていたミンサーは、綿(ミン)の狭い帯(サー)が語源とも言われ、かつては女性から男性に贈る布だったと言われています。

八重山ミンサーのデザインにはそれぞれ意味があり、5つと4つの絣模様は「いつ(5)の世(4)までも末永く幸せに」、帯の端のヤシラミ柄は、百足の足のように「足繁く通ってください」との気持ちが込められています。

時代を反映した、文化とともに成立した工芸品なのですね。

久米島紬(くめじまつむぎ)

©沖縄観光コンベンションビューロー

15世紀に伝わったとされる久米島紬は日本の紬の発祥地とも言われ、500年以上の歴史があります。

紬は蚕からとれる真綿をもとに、丈夫な糸に仕上げた絹織物のこと。そして久米島紬は島に自生する植物で染色し、泥染めを行い美しい色合いを作り上げています。

紬織としては最高級品とも呼ばれる久米島紬ですが、かつて久米島では織物を税として納めていた時期があり、そのために日本から技術を取り入れて品質を高めていったという背景もあります。

染織品

琉球びんがた(りゅうきゅうびんがた)

©沖縄観光コンベンションビューロー

14世紀~15世紀頃に成立したとされる琉球びんがたは、中国・インド等との交易から得られた技術を基に誕生しました。

びんがたの製作は型を作る所から。

模様を彩る型彫りを行い、顔料と天然染料の両方を使って色差しを行っていきます。

その後に細かいぼかしなどを入れ、最後に生地全体の色を作り上げていきます。

琉球びんがたには複数の種類があり、そのひとつが紅型。

琉球びんがたと音は同じですが、紅は色を表し、型は様々な模様のことを表していると言われています。

同じく藍や墨で染められた琉球びんがたを藍型(イェーガタ)、型紙を使用しないものを筒書きを呼んでいます。

漆器

琉球漆器(りゅうきゅうしっき)

©沖縄観光コンベンションビューロー

琉球漆器の技術は14世紀頃に中国から伝わったとされ、後には交易の献上品や輸出品として重宝されてきました。

高温多湿の沖縄の気候は漆器製作と相性が良く、沖縄独特の堆錦、金箔を使った華やかな色使い、貝を使った螺鈿など様々な技法が用いられています。

また政治との結びつきとも強く、祭祀や儀式などでは食器や装飾品として使用されていました。

琉球漆器には県木であるデイゴやシタマキ、センダンといった木材が使用されることが多く、用途によって使い分けられています。

その他の工芸品

三線(さんしん)

伝統的工芸品「三線」

意外と最近登録されたのが三線ですが、琉球王朝時代にその原型が持ち込まれ宮廷楽器として発展

以降庶民へと広く普及し、現在では組踊・歌劇・民謡・近代音楽など様々な場面で使用されるようになりました。

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以上、沖縄の伝統的工芸品についてまとめてみました。

※当サイト調べによる情報です。