海の競争、那覇ハーリー!

那覇ハーリーって??

那覇ハーリー

那覇3大イベントのひとつ!

5月の大型連休に合わせて開催される那覇ハーリー。豊漁や海の安全を祈願するために行われるもので、毎年那覇港・新港埠頭を舞台に熱戦が繰り広げられます

爬龍船(はりゅうせん)と呼ばれる独特の舟に乗り込んだ乗組員が息を合わせて1着を目指す会場のレースで、学生や職域別の競技などが行われ、最終日にクライマックスの御願バーリーと本バーリーを迎えます。

本来は旧暦の5月4日に行われていたのですが、県内外多くの人に参加してもらいたいという経緯で新暦5月3日~5月5日の3日間に開催されるようになりました。

当日は競技の他にも出店やお笑いステージ、アーティストのライブ、打上花火など様々なお楽しみ要素・イベントが催されています。

ハーリーの歴史

那覇ハーリーの起源

ハーリーの起源は中国『楚』。

当時王に仕えていた”屈原”という人物が楚から追放された結果、旧暦5月5日、川に身を投じてしまいます。

屈原を慕う人々はこれを悲しみ、供養のために毎年旧暦5月5日に龍船を浮かべて競争することで御霊を慰めようとしました

そして14世紀頃。琉球国から中国へ留学していた国費留学生が爬龍船の行事を琉球へ伝えます。琉球では前日の旧暦5月4日が爬龍船行事の日となり、『ユッカの日』と呼ばれるようになりました。

琉球に伝来した爬龍船は政治とも関わるようになり、豊見城御嶽に爬龍船を漕いで登り乗組員皆で礼拝し、国王も行幸を仰ぎ聖寿を合わせて祈願します。

次第に国家行事として多くの人々の関心を集める競技となっていきました。

伝統の復活

1879年には廃藩置県によって廃止されますが、1975年の沖縄国際海洋博覧会をきっかけに復活し、沖縄を代表する行事として毎年行われるようになりました。

ハーリーは県内各地で行われており、有名どころだと糸満ハーレーや豊見城ハーリーなどがあり、こちらは旧暦に則って行われることが多いです。

乗組員の役割・構造

乗組員の役割

那覇ハーリーの爬龍船には総勢42名の乗組員がいます。

漕ぎ手には左右16名ずつ。合わせて32名。

その他、舵を取る2名に鐘を打つ2名。旗振り3名、唄歌い1名、中乗り(空手)が2名となっています。

また、爬龍船は全長14.5m. 重さ2.5t. と大きな構造になっています。

競技内容

那覇ハーリー競技の様子

本番は最終日

競技は3隻で行われ往復400mのタイムで競うもの。

初日は那覇市内の中学校対抗戦が行われます。そういえば学生の時にはクラス替えが終わった後、有志や部活動の有望株が集められてプールで櫂捌きの練習を毎日していたのを思い出します。

最終日は一般職域による競技が行われ、青年会や企業の団体のみならず、自衛隊vs海上保安庁、アメリカ軍属の真剣勝負を見ることが出来たりと、那覇ハーリーならではの光景。

ハイライトはイベントの一番最後に行われる御願バーリー・本バーリー

御願バーリーは伝統に則り湾内を回遊し、儀式を神にささげて豊穣を願います。

本バーリーは青の那覇、黄の久米、黒の泊と3隻に分かれての競技で、学生や一般職域とは違った独特の雰囲気と迫力を感じる大一番。

また、それぞれの色は青は日本、黄は中国、黒は琉球を表すと言われていて、琉球が各国の影響を受けて成り立ってきた背景を感じられます。

中国の書記には『琉球の王が家来に一番おいしいものを問うたところ塩と答えた。その答えに怒った王は流刑に処すが、飢饉で初めてその答えが正しいと悟った王はその家来を探すために那覇・久米・泊から船を出させた』という記述も残っているようです。

天気

数字以上に暑さを感じる

一般的にイベントが行われる5月上旬は陽射しも強くかなり暑くなるころ。実際に5月5日頃の最高気温の平均は26℃. 数字で見ると意外と落ち着いている印象もありますが、陽射しが強く暑いです。

そして、沖縄では「梅雨は那覇ハーリーに始まり慰霊の日に終わる」との言葉があるように、直後に梅雨入りの発表があることも多く、この頃を境に雨の日が増えていきます。

※沖縄の梅雨の平年値は5月9日~6月23日

今年こそは見たい!

ハーリーも感染症の影響をうけて中止。

2020年は新型コロナウイルス感染症の影響もあって、1975年の復活以来天候以外の理由では初の中止となりました。

正直収束まではまだまだ険しい道のりだと思いますが、何かの間違いで状況が好転していつも通りの活気が戻ってくると良いなと思う次第であります。

2023年は開催が決定しました!

那覇ハーリー会館

那覇ハーリー会館

那覇ハーリーの歴史や資料の展示、船の保管を行っている那覇ハーリー会館。

入場無料で実際に使用される船に乗船することも出来るので、近くにお立ち寄りの際は遊びに行ってみてはいかがでしょうか?